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2015年のふりかえり

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2015年もいよいよ年の瀬。 恒例の、1年のまとめをしておきます。 □  『蛇腹島奇譚』 ‥‥CDも無事完成し、蛇腹姉妹さんのお披露目ライブに絵描きで参加。 □ 路上絵描き‥‥下北沢にて数回。 □ 人を描く‥‥キャラクターをたくさん作りました。一部はゲームになります。 □ トークと絵描きライブ‥‥「てんとせん」を2回。中島弘貴さんとの共催。 □ 頒布会‥‥「文学フリマ」に出展、共作『夢』『奇人圖譜』など販売。不二家さんと 小さな合作 。 □ その他‥‥新しい試み「環境絵」「異極鉱シリーズ」 描きかけの大きな絵があるのですが、ほとんど手つかず。小さな絵はいろいろ描いていました。 新しい試みを始めていますので、簡単に説明します。 ①「環境絵」: 身近な景色(テクスチャ)を取り入れて絵にし、もとの景色と一緒に写真に撮ります。 コンクリートの質感をモチーフにして、こんな感じです。 こうして見ると、絵がまだまだ実物の力に負けているように思えます。 実物と絵の、一騎打ち。 一枚の写真に収めることで、虚と実の関連性や存在そのものをあばこうとする試みです。 ②「異極鉱シリーズ」 : 異極鉱という変わった石を入手。同じ石をひたすら見つめて、多数描いてます。 見つめつづけることで、いったん固定観念の世界から脱却します。その先は混沌の世界(無の世界)。 それだけでは表現になりませんので、ふたたび意識の世界に戻ってきます。そのとき、どんな絵が生まれるか。 (そこまで到達せず、何も生まれないかもしれません) ちなみにこの手法は禅の世界に則しています。 ③「キャラクター制作」 :  左馬の世界を商業ベースに乗せていく、その前段階。クライアントありきで制作しましたので、まだ左馬の世界を売りこむまでにはいたっていません。 これら の試みは2016年へと続いていきますし、「人」「街」「絵」「思考」の境界を曖昧にしながら、 相互にエネルギーの交換を、私という媒体を経由させながら、より活発にさせていきたいと思います。 これからも私が描く絵たちを、愉快に楽しく意味深に感じていただければ幸いです。

イベント「てんとせん」第2回のおしらせ

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2015.11.7(土)に、中島弘貴さん(作家、演奏家)と、おしゃべり会を行います。 7月に続き第2回です。今回のテーマは「神話」。中島さんが様々な著作を紹介、神話についての思いを話してくださいます。私も話を広げていきながら、皆さんと思いを共にできればと考えています。 前回は本当に大勢の方にお越しいただき、濃い時間をじっくり共有できました。不慣れで手探りのイベントではありましたが、お客様からのご意見や質問もいただきながら、充実した楽しい時間をすごせました。自己満足で終わらせないために、その後、私と中島さんで反省会をし、第2回に備えています。 第2回の前半は、トークライブの形で、神話をテーマに縦横無尽にお話をします。神話の不思議さ、なぜ人は神話に魅かれるのか、神話が語ろうとしていることなど、広い視点でおしゃべりします。 後半は、柴田高志さん(画家)をお招きしての絵描きライブ。中島さんの歌と演奏とともに、私と柴田さんとで大きな紙に絵を描いていきます。今回は二人で別々の絵を自由に描いていきますので、2つの絵を見比べて、また中島さんの歌もゆっくりお楽しみください。 創作する人もしない人も、何か新しい生活の切り口を、ワクワクするヒントを、愉快な思考のかけらを、このイベントで見つけていただければ幸いです。 それでは11月7日の土曜日、お待ちしております。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「てんとせん 2」 出演▶サマ(左馬漣)・中島弘貴 ゲスト▶柴田高志 内容▶絵描きとトーク 日時▶2015年11月7日(土)17:30オープン18:00スタート 会場▶ cafe ぽれやぁれ 東京都杉並区高円寺南3-44-16  ※ JR高円寺駅 南口から徒歩5〜10分 03-3316-0315 参加無料▶ドリンクオーダーと投げ銭をよろしくお願いします。 --------------------------------------------------------------------------------------

イベント「てんとせん」おしらせ

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2015.7.19(日)に、中島弘貴さん(作家、演奏家)と、おしゃべり会を行います。 中島さんとは年何回かお会いして、長々と四方山話をする仲です。 私はこの長いお茶会を、もっと多くの人と共有してみたいと思っていました。3年経って、「そろそろやりましょうか」という感じで話はまとまり、場所も見つかったので7月にイベントとして行うことにしました。 中島さんは読書家で、西洋文学や文化・博物学・思想などの本を読み、とてもよく把握していらっしゃいます。私はその話をうけとり、様々にイメージを広げるのが好きです。 今回はそんな役どころで、私たち二人がおしゃべりをし、また大きな紙に絵を描くなどしていきます。話の内容を吸いこんで、新しい絵が生まれ、成長していく様子を皆さんに見ていただければ幸いです。 また参加される方には、ひとつ「言葉」を考えて来ていただきます。その言葉を紙に書き、おしゃべりや絵の中へと反映させていこうという趣向です。さらには参加される皆さんもおしゃべりに加わっていただければ、よりいっそうこの集まりが深みを増すと思います。 タイトルの「てんとせん」、その「てん」は私たちであり皆さんであり。それを星座のように「せん」で結ぶと、さてさて、どんな星座が浮かび上がるでしょうか。言葉で、絵で、空気で、想像で、感じてもらえれば何よりです。 創作する人もしない人も、何か新しい生活の切り口を、ワクワクするヒントを、愉快な思考のかけらを、このイベントで見つけていただければ本望です。 何ぶんはじめての試みですので、不備や至らない点も多々あるとは思いますが、どうかご諒恕のほど、よろしくお付き合いくださいますよう。 7月19日の日曜日、お待ちしております。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「てんとせん」 出演▶中島弘貴・サマ(左馬漣) 内容▶絵描きとトーク 日時▶2015年7月19日(日)17:30オープン18:00スタート 会場▶ cafe ぽれやぁれ 東京都杉並区高円寺南3-44-16  ※ JR高円寺駅 南口から徒歩

日本的なるもの

最近、私は日本的なるものの間を逍遥している。 浮世絵、万葉集、日本人学、柳田・折口、松尾芭蕉、利休、河合隼雄。 さて、芭蕉といえば「わび」「さび」。 しかし、彼はもともと、20年ほど滑稽なる歌作り=「俳諧」に邁進していた。 当時の主流は、和歌の流れをくむ「連歌」。それは華美の様式。いっぽう「俳諧」は連歌から派生した、ダジャレ・パロディの世界(貞門風や宗因風)。 芭蕉がわびさびの俳句を極める(蕉風)のは、その後、死去するまでの10年。 もちろん俳諧師のころから、その実力は地方出身者としては突出、才能を発揮していた。(芭蕉は三重県伊賀の出) それにしてもあの芭蕉が、作句人生の2/3は、面白可笑しい俳諧作りに明け暮れていたのだ。おそらくは陽気にゲラゲラ笑いながら、仲間たちとともに。 さて、俳諧をなすにあたって、パロディの元となる出典にあたることが必要となる。つまり古典などの教養や言語センスがあるからこそ、ギャグを楽しめるのだ。俳諧師たちは『荘子』を愛読していたという。 しかし芭蕉はある日気がついた。知識や形式としての古典ではなく、その情動、心の動きこそが大切ではないのか? 彼は古人の心をおもんぱかる必要を説いた。こうして俳諧を脱し、俳句というものが姿を現してくる。 芭蕉は、「わび」については具体的な説明をしていない。いちばん肝心な部分は、あえてそのままに。これが大事。千利休もそうだった。 核心はシンボルとして、言語化せずに「宙に浮かせておく」べきなのだ。河合隼雄はこれを「空」として、日本人の精神構造の核にあるものだと分析している。 「言わなくてもわかるでしょ?」「それを言っちゃあおしまいじゃないの」「野暮は言いっこなし」‥‥ 何事にも察してほしい部分というものがある。そのへんの微妙なやり取り、つまり日本人の美意識(習性)だ。 私はこれを「ちくわ」に例えたい。ここで失笑しないでほしい。冗談のようだが、日本人がグローバル時代に主張すべきキーワードである、と真剣に考えている。 一気に「わび」から「ちくわ」に話が飛んでしまった。 中央が穴であることと、押したときの弾力のかげん、穴への出入りが可能であること、そういった特性が、現代社会の限界を乗り越える可能性を秘めている。昨今の悲痛な「負の連鎖」を、や

今年は…(2015.1.2.)

正月になりました。 2014年は、思いのほか計画を実現できませんでした。 理由は、絵描きではない通常の仕事が「こじれて」いたためです。 結果、 絵描きとしての「左馬」と、普段の仕事を近づけてみる1年になりました。 たとえば、作品を描いたり整理したり、新規に持ちこみをしたり。 一昨年までの、自由奔放なあれこれは、ほとんどしていません。 個展もなし、絵描きライブもなし、実験的な創作もなし。 以下、2014のまとめ。 □ 夢の本‥‥不二家氏との共作で実現。 http://bccks.jp/bcck/124898 □ 路上絵描き‥‥秋葉原にて。新宿、銀座ではせず。 □ 色彩を使う‥‥絵本制作や、デジタル作品などで実現。 □ その他‥‥『蛇腹島奇譚』CDジャケット絵(蛇腹姉妹さんのアルバム) これぐらい。 大作も作りませんでした。小さな絵はいろいろ描いていました。 『蛇腹島奇譚』では、鑑賞する人が抱いている「左馬が描く絵のイメージ」に 私がアプローチしていく、つまり「期待にこたえる絵を描く」という作業を経験。 多くの時間を費やし、よくもわるくも苦労をしました。 さて現在、タッチの変化が訪れています。変えていこうという意志があります。 さらに、時々は「人」も描いてみようと思います。 (今までは、人は人が大好きなので、私は反抗し、なるべく避けていました。) もちろん「見る人の脳裏にこびりつく」「心の無意識にこっそりと巣を張る絵を!」 という目的は変わりませんし、ますます奔放な絵になっていくかもしれません。 2015年も引き続き、左馬の世界を商業ベースに乗せていく、いやむしろ 左馬の閉じた絵の世界を、大衆媒体に乗せるアプローチをする、という ことになると思います。 一般展示会やコンペに出すなどという、まどろっこしいことはしません。 人の働いているところへ行き、アピールし、話し、感じてきたいと思います。 その方が直接的で、刺激的。受け入れられるか、否定されるか、無視されるか、 やってみなけりゃ分かりません。人と人との間には、いろいろ起こりうるからです。 何ともおもしろいではありませんか。 これからも私が描く絵たちを、愉快に楽しく意味深に感じていただければ幸いです。