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筆の身体感覚

筆を持つと、体の動きが変わる。 ペンは「書くか・書かないか」の「はっきりした閾(いき)」がある*。筆は「スッと入って、グッとぬける」ふわっとしてる。 筆を紙からはなすとき、心と体も紙の上からはなれる、という実感がある。だから紙の上に気持ちが残っているのがわかるし、描いた線が饒舌(じょうぜつ)になる。 筆を紙からはなす「出」に合わせて、なぜか体も余韻を求めるように動きたがる(!)。踊るようなその感覚を発見。それはライブ・本番!という緊張感・集中力のなかなればこそ。 さらに私の場合、ペンで描いたものは建築物(構成物)となり、筆なら 情緒・ゴースト・大気‥‥何かそんなものになる気がする。 *ペンは、描く瞬間にペン先に気持ちがいくけれど、そのあと描かれた線は置き去りにされる。

ライブ絵描き 七つ道具

スケッチやメモ帳に 描く絵、ペン先は0.5ミリ。 では  壁に貼った1,000ミリ(つまり1メーター)あまりの紙を 10メーター離れて見るなら、何ミリの太さで絵を描けばよい? 私の答は、筆。 それは「万能筆記具」です。考えてみてください。細い線から太い線まで描け、やわらかな曲線も自由自在。手首の回転にピタリと反応してくれます。カスレなどの効果も期待できます。 一方、極太サインペンはほとんどが四角い芯。曲線を均等幅で描くのはむずかしい。角をナイフで削って丸く‥‥してみたものの、うまくいきません。 結果、おなじみの筆ペン(太字)。墨にひたさねばならないという面倒もありません。 さらには、顔料インク。より黒く、濃く、うらに染みません。染料だと染みこむので、うら移りします。筆ペン太字 + 顔料インク。この組み合わせは、ライブ絵描きにはとてもよいと思いました。 つづきは「七つ道具」の残りについて。

オラン+サマ ライブ報告@ウッドストックカフェ

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4月4日、やさしく素直にライブは始まった。 カフェの中だけ ぽかぽかと春めいて。 外の世界とはぜんぜん違う時間が、のっそりと流れ出す。 カフェが動き始めたのだ。 前日、オランさんからのメール。 「ふうわりとした音を出したい」と、ひと言。 ‥‥そっか、まっさらでいくんですね。と  私も余計な思考をピタッとやめた。 当日、たいした打ち合わせもなく、本番へ。 居心地のいいカフェ オランさんの「音」と「間」  お客さんの気持ちのさざめき‥‥ 全部がみるみる集まって、私を通って 筆先から流れ出る。すごいね。 私という全体が「透明なツール」*になる。 そして完成。どこにもない音、どこにもない時間、 どこにもない気持ち を閉じこめた絵がそこに。 それは、オランさんの「演奏記録」であり、 今宵この場の「全員の記憶」。居合わせた人たちだけの、特別なもの。秘密でない秘密(!)。 ※まるで絵描きのシャーマンみたい。その場・その時・その人々すべてを「寄せて」+「絵にする」。 「寄せる」といえば「寄せては、かえす波」。絵を描くことは「かえす」こと。波はさざなみ(漣)。

まるごとまるむ

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正月をやって2月に中島さんに会い3月は展覧会の絵‥‥時の流れがスルスル早くてソワソワ。ぼんやりしているのか、いや、ぼんやりはいつものことだけれど、過ぎていった日々がこれまたずいぶん遠くに小さくなって遠い目、かざす手のひら、春の陽気。 ★ アコーディオン弾き語りのオランさん ライブに、絵描きで参加。 今週水曜4月4日@ウッドストックカフェさんで、オランさんの演奏+サマの絵描き 。 いつものごとく見世物のごとく、自由自在にメタ盛る絵描きをお見せしたいところだけどやっぱりやってみなくちゃ幕を開けてみなくちゃ何がどうなろきゃあなろたい*。‥‥あのオランさんの、夢のような曲と演奏。はたして私の絵描きはついていけるのかな。 そもそも私は格好つけるほどの才もない。ヘタであるしミットモないしギコチない。ならばミットモもギコチもほっぽらかして、素直に愚直に。それで何が出てくるか、おてんとさまでもご存じなし。 カフェという名の小さな箱の中、音とお酒と絵と笑顔。そっち(客席)と こっち(演者)じゃなく、そっちもこっちもみんな。まるごとまるめて。どうかそんな愉快な時間を 皆さまといっしょに描けますように。よかったら、ぜひ遊びに来てください。当日は『奇人圖譜』(冊子)をたずさえて参ります。アカチャカベッチャカ チャカチャカチャー* *「おてもやん」より。陽気で妙ちきりんな歌詞。サイコデリシャス。